窃盗罪が強盗罪という刑事事件に発展、弁護士が必要に?

窃盗罪が強盗罪という刑事事件に発展、弁護士が必要に?

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第3部~「事後強盗」とは~

さて第2部で物尾さんには窃盗罪が成立しそうだというところで終わったかと思いますが、本件はこれでおしまいではありません。というのも、その後物尾さんは店長から逃げるため、店長の手を払いのけて転倒させていますよね。この点は何罪になるのでしょうか。直感的には傷害罪あたりが成立しそうな気がして、窃盗罪と暴行罪になりますという結末になりそうです。ところがどっこい、そうはいきません。ここで重要な条文をご紹介いたします。

刑法238条には、「窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は財物を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。」と規定されています。これは「事後強盗罪」と呼ばれる犯罪で、強盗罪と同じ刑になってしまいます。

事後強盗罪について詳しくは第4部で検討致しますが、要は窃盗犯人が事後的に強盗犯と同じように扱われることを規定した条文です。最初にみたように、強盗罪と窃盗罪では随分法定刑が異なりますし、一つの刑事事件として社会に与えるインパクトも異なります。物尾さんにとっては窃盗罪となるか事後強盗罪となるかは非常に大きな問題となります。

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