窃盗罪が強盗罪という刑事事件に発展、弁護士が必要に?

窃盗罪が強盗罪という刑事事件に発展、弁護士が必要に?

  • HOME
  • 第2部~事件の検討~

第2部~事件の検討~

まず、第1部での物尾さんの事案をみて、皆さんはどんな犯罪が成立すると直感的に考えるでしょうか。やっぱりお肉を盗んだのだから窃盗罪でしょうと か、店長を転倒させて怪我させているのだから傷害罪や暴行罪じゃないかだとか考えられると思います。何罪が成立するかどうかということを考えるにあたっては物尾さんの行為ごとに分断して考えることが有用ですので、まずは物尾さんがお肉を持ち去ろうとしたことにつき、何罪が成立するか、少し関連する刑法の条文をみてみましょう。

刑法235条は窃盗罪を定めており、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪と」するとしています。また、やはり盗みに関する罪といえば強盗罪が考えられますが、刑法236条1項に「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪と」するとあります。強盗罪のポイントは暴行又は脅迫を手段として財物を奪っていることです。典型例は包丁などを被害者に押し付けてお金を奪ったりする例です。本件の物尾さんはどうでしょうか。物尾さんはお肉のパックをこっそりとバッグにいれて持ち去ろうとしているだけで、決して暴力や脅しを使って肉のパックを手に入れているわけではありません。したがって、強盗罪は成立しません。やはり窃盗罪が成立することになります。実はこのまま窃盗罪で終わりではないのですが、この点は第3部以降で説明いたします。

このページのTOPへ